2002年9月20日
ようやくホームページ

夢工房のホームページをようやく立ち上げることができた。私自身はとんとコンピュータにはうとい。文章は私が書いたが、実際の作業は大学生の娘に頼んだ。

 出版に携わるものとして何とも恥ずかしいかぎりであるが、致し方ない。娘には謝礼としてパソコンを1台買ってやることになっている。安くついたか、高くついたかは、このホームページにどれだけアクセスがあり、本の売り上げにどれだけ貢献するかである。

  あるいは、夢工房という出版社に興味を抱いてくれた自費出版の担い手たちにどれだけ本づくりのメッセージを届けることができたかである。長い目でその成果に期待したいものだが……。

地域出版の本の流通問題

 いま、神奈川県下の地域出版の本の流通はマヒ状態である。と言うのも、ご存じのとおり、県下の本の流通の一翼を担っていた神奈川図書という本の取次会社が7月下旬に民事再生法の手続きに入って、ほとんどその機能を果たしていないのだ。

  小さいながらも8月に3冊の新刊を出した零細な出版社としては、やりようのない思いだ。もっとも今までの対応自体も大いに問題はあったのだが……。

  県下の同業社からも、どうしよう、こうしようの連絡はあるのだが、これといった名案は聞かれない。さりとて、大手の取次会社がすんなりと新しい取引を始めてくれるとも思われない。

  仮に取引を始めたところで、果たして我々のような零細な出版社のためにどれだけ小回りのきいた本の流通をやってくれるのか覚束ない。

  小社で現在行っていることは、小田原周辺の主な書店との直接取引、箱根や小田原の植物園や博物館などの売店への委託販売、有隣堂各店へのチラシ配布による注文依頼、地方・小出版流通センターによる配本である。

  後は、新聞・雑誌の紹介記事、読者カードなどによる直接注文、企業・団体などへの販売交渉による取りまとめなどである。それに遅蒔きながらホームページでの本の紹介が加わった。
  結局は、本の流通を考え直す時期にきているのだろう。零細な出版社がこれからも存続していくための手立ては何かと熟慮している。どんな手立てがあるのかと考えても、なかなか名案は浮かばない。

  これまでの本の流通を無視するわけにはいかないが、それに頼り切るわけにいかないのも明白である。現に、1冊の本を直接読者に届ける送料は、今までとは違って安い費用の負担で可能な現実がある。

  いま仮に直接、読者に本の情報の発信ができ、読者からの注文を受けることができれば、何も従来のように本の取次を通して書店に本を送る必要はないのである。

 もっとも読者に買って読んでもらうに足る本づくりをすることが、すべての前提である。そのために丹沢山麓や小田原・箱根の地域で活躍する人たちの生きざまの中から本づくりのテーマを探し出そうと、交遊の輪を広げているのではあるが……。 (片桐 務)